Xankステーブルペイ:オンデマンドでステーブルコイン機能を利用可能に

号通貨は、需要と供給の市場相互作用により価格が変動しますが、本質的に不安定です。どのような状況でも暗号通貨の価格を安定させるには、あらゆる形の市場による作用を相殺するメカニズムが必要です。このメカニズムは、物価変動にリアルタイムに反応し、市場の動きに対抗できなければなりません。暗号通貨をステーブルコインたらしめうためには、この価格安定化メカニズムをプロトコルレベルで作り込み、あらゆる取引において、常に稼働するようにしなければなりません。これまでのほとんどのステーブルコインは、価格変動に対抗するために担保に頼っていたため、このようなメカニズムを実装することはネットワークに多大な負担をかけ、常に急降下などの外部ショックに対して不安定になりがちでした。ステーブルコインの設計要件の詳細については、<br>こちらのHaseeb Qureshiの記事<br>をご覧ください。

Xankはまったく異なるアプローチを取っています。ネットワーク全体でステーブルコイン機能を実現するのではなく、トランザクションごとに必要に応じてステーブルコイン機能を実装することにしました。なぜなら、ネットワークが市場の衝撃に耐えられると盲目的に信じ込むことができないためです。これにより、安定化メカニズムが「常にオン」である必要はなくなり、「オンデマンド」でこのメカニズムが起動します。これにより、ネットワーク全体の負担が軽減されます。

これはつまり、Xankは他の暗号通貨と同様に、価格が自由に変動する暗号通貨としての機能をもっていることを意味します。ユーザーは、ビットコインやイーサリアムのような暗号通貨と同様に、価格の変動を推測しながらXankの保有・取引を行うことができます。ユーザーが価値の変動に影響を受けない取引を行いたい場合は、その取引にXankの革新的なステーブルペイ機能を選択することもできます。

 

ステーブルペイを使用する

取引の開始から終了までの間、暗号通貨の価値が一定に保たれることを、ステーブルペイ取引は取引当事者に保証します。

「ステーブルペイを使った取引では、ユーザーは法定通貨の額面で価値の交換ができます。法定通貨の額面通りの価値は、取引の開始から決済、取引当事者間の受領確認までの間、保たれます。」

— Xankホワイトペーパ

したがって、100ドル相当のXankをレトロPCゲーム用に送るようアリスがBobに依頼する際に、アリスはBobに対し、ステーブルペイによる取引を利用することで、Xank価値が暴騰したり毀損されないようにしてほしい、と依頼することもできます。これによりアリスは、取引中に暗号通貨の価格が変動するのを心配せずに見守ることができるようになります。取引中にボブがすることは、ウォレットにてステーブルペイ機能を選択することだけです。取引のライフサイクル中にXankの価格が変動した場合、Xankリザーブは、ステーブルペイ取引実行時に合意したXank価格が法定通貨の額面と一致するよう、コイン量を調整します。ステーブルペイ機能により取引されているXankコインは、次のブロックにその履歴が保存される際、フラグが立てられます。アリスが次の取引でXankコインを売却しようとするときや、彼女がステーブルペイトランザクションを受け取ったりしたとき、ネットワークはそれらのコインをフラグ付きコインとして認識し、合意された100ドルの法定通貨の額面に一致したXank量をアリスが受け取れるよう、「販売」トランザクションでXankの価値を調整します。ステーブルペイ取引のライフサイクルはこれで完了です。実際、ボブはアリスに100米ドルを送付し、アリスはそれを受け取り、その後100米ドル相当のXankを使用して次の取引を行うことができました。Xankリザーブは、必要に応じて、そして要求に応じて価格安定メカニズムとして機能するのです。

 

Xankリザーブ

Xankが他のステーブルコインと異なる点は、自律資金調達の機能を持つ準備金プール、Xankリザーブの存在です。Xankの準備金は、Xankブロックチェーンにおけるブロック報酬の一定量が、自動的にプールされることで確保されています。Xankブロックチェーンの稼働開始時点より、このパーセンテージは各ブロック報酬の15%に設定されています。Xankのステーブルペイ機能による取引を確実に実行するため、必要に応じて準備金が取引に使われるXankコイン量を増やしたり、減らしたりします。準備金が必要なのは、このステーブルペイ機能が価格安定メカニズムとして機能するのを下支えすることです。

取引開始時に合意した法定通貨換算の価値を維持するために、ステーブルペイ取引がより多くのXankコインを必要とする場合、必要なタイミングでトランザクションに追加されます。法定通貨換算の価値を維持する上で必要以上のXankが取引されている場合には、ステーブルペイ取引機能により余剰分のXankが取引から取り除かれます。このようにして、準備金はすべてのステーブルペイ取引を調整し、オンデマンドで準備金からXankを引き出したり、追加したりします。自律資金調達メカニズムもまた、ネットワークを維持するために不可欠なメカニズムなのです。

Xankリザーブは、自己資金によって運営されるXank基金との間でシーソー関係にあります。つまり、市場の低迷や活性化が持続する場合などの特定の状況下で、互いの超過資金から必要な分を引き出すことができるのです。リザーブと基金は、合計でブロック報酬の30%を自動的にプールしています。必要以上の資金がプールされている場合、ネットワーク上のプロジェクトに資金提供することもできます。準備金の金額が長期にわたる市況の低迷によって補填を必要とする場合は、準備金を補充するために基金の資金を使用することができます。

 

現実社会の価格をブロックチェーンに転送する

価格安定性を確保するためのメカニズムがうまく稼働していても、現実世界の信頼できる価格フィードとペアになっていなければ、このメカニズム自体が弱点であるだけではなく、単一障害点にとなってしまう可能性があります。

稼働直後から、Xankネットワークのステーブルペイ機能は、<br>IMFの特別引出権(SDR)<br>をXank価格の計算に利用し、Xank価格を調整します。このようなプロトコル設計をした理由については、今後の記事で説明いたします、ここで覚えておいていただきたいことは、IMFのSDRを使用ことで、現実世界における実際の価格フィードであると同時に、ネットワークに依存しない価格フィードをブロックチェーンレベルで獲得し、それをネットワーク全体の価値基準として利用できるのです。

各ブロックは、IMFのSDRレートの値をブロック作成時に記録します。日々のSDRレートを、オラクルがマスターノードネットワークに、知らせます。このデータは誰もが簡単に確認でき、全世界の経済を独占しなければ操作できないものです。この意味で、最も強力な競合は中央銀行であるともいえます。このレベルの信頼性を確保しているオラクルフィードは、他のステーブルコインには見受けられません。このデータは、ステーブルペイ取引が正しく実行されたかどうかを検証する際に利用されます。この仕組みを動かしているのがアルゴリズムであり、中央集権的な組織の影響を受けることなく、XankリザーブがXank稼働開始時から継続的かつ自律的に機能する上で欠かせない存在です。

ステーブルペイ機能とXankリザーブの機能の詳細については、<br>Xankホワイトペーパー<br>をご覧ください。次回の記事では、ステーブルペイが加盟店、取引所、企業、個人、コミュニティ、その他の組織にどのように役立つかについてお伝えします。

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Creator & Chief Scientist @XankMoney. Founder @Hycom & @Hycare. Entrepreneur. Developer. Designer. Writer. Blockchainist. Kosdaq IPO. https://ryuhyun.kim/

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